2019.06.09
勉強会
「遊びの発達」に関する研修を行いました。
6月は「遊びの発達」に関する基本的な内容を皆で勉強しました。
子どもにとって「遊び」が大切なものであることは、誰しも何となく認識されていると思いますが、それがどのように発達していくのか、どんな風に発展していくのか、運動や認知面、社会面とどう関連して発達していくのか等まで中々考えられていないかと思います。そのような理解は、発達障がいを持つお子さまや、遊びが苦手なお子さまの理解、支援に大いにつながっていくと考えます。
今回は、定型発達児における遊びの発達の基本的な内容と、発達障がいではありませんが、小児慢性疾患(喘息や小児がん等で入院加療が必要なお子さま)における遊びの問題等に関して触れました。
子どもにとっての遊びは、運動技能や手先の発達を促したり、お友だちや親との関わりを通じて感情のコントロールを学んだり、玩具の使用を通じて知能面、認知面の発達を育んだり、また社会的な利益(褒められる、お友だちと遊んで楽しいetc.)も得られ、発達において非常に重要なものであることが様々な研究からも分かってきています。
上図はパーテンさんが1930年頃発表した遊びの発達分類ですが、近年では分類分けの一部に疑問視される声もあり、参考の域を超えるものではありませんが、大まかな発達を理解する上で知っておくべきものであると思います。
次に、遊びの発達に関して日本語文献2本、英語文献1本を紹介させていただきました。
1.「遊びの発達」(中川&鋤柄、2008)
⇒少し古い文献にはなりますが、「遊び」と情動や感情制御との繋がりをPankseppの理論を基盤として述べられており、また注意ネットワーク(定位、覚醒、実行)の発達との関連性に触れている部分は面白い内容であると思います。遊びの発達を見ていく際、遊びのみを見るのではなく、注意機能の発達や、感情制御との関連も合わせて評価し、支援内容を考えていく必要があるかと思います。
2.「小児期の遊びの発達とその評価」(田原,2010)
⇒この文献では、年齢に応じた運動や認知面の発達と、それに応じた遊び内容の紹介がされており、その面で参考になるかと思います。評価においては、遊び面のみでなく、模倣能力や運動機能等も合わせて見ていく視点が述べられていました。
3.「健康的な遊びとより良い対応:健常児と病気を持った子どもの発達における遊びの重要性」(Nijhof et al.,2018)
⇒遊びに関する最新の論文です。本論文では、遊びの定義から子どもにとって遊びとはどういった意味があるのか、他の発達カテゴリーに対してどういう影響があるのか等非常に参考になる内容が述べられていました。また小児慢性疾患のお子さまは遊びの機会が減るだけでなく、ストレス等の問題で、遊び自体にネガティブな影響を及ぼし、感情面や身体機能、社会性等の課題に繋がることが述べられ、病院等での医療的ケアのみでなく、遊びに注目したケアの重要性が述べられていました。小児慢性疾患の家族への影響等も書かれており、非常に参考になるものでした。この論文の中で、今回の研修における「基本的な遊びの発達」理解において、とても参考になる図があったので、載せておきます。
日本語訳が細かくて見にくく、内容においても急いで訳しているので間違いも多いかと思いますが、ご参考までに。。。
今回は定型発達児における遊びの発達でしたが、自閉症児やADHD児においては、定型発達児とは異なる遊びの特性が知られており、今後はそのような知見に関しても触れ、ファミリアキッズのスタッフ全体で発達支援、療育に活かすための勉強、学びが出来ていけたらと思います。
ファミリアキッズ門真 福澤友輝