2020.04.21

療育

【ご自宅での療育】「ことば編①」

新型コロナウィルスの影響で外出自粛が長期化する今、園などに通えず、不安を抱いておられるお声も多数ございます。そこで、お子さまと一緒におうちでできる療育あそびを、ブログを通じてお伝えできればと思います。

今回は、親子ですぐにできる「ことばの療育」の紹介です。

 

療育の紹介に入る前に、、

読み書きの発達段階として、幼児のそれを支える能力に『音韻意識』があります。

ハリスら(1999)は音韻意識』が読みを覚える前提となると言っています。

音韻意識とは、言語音を同定し、意味だけでなく音的な側面にも注意し操作できる能力のことを指します。

 

「いちご」などの「単語」はそれぞれ1音1音の集まりでできていて、その構成された「単語」をひとかたまりではなく、1文字(1音)ごとに分解したり、並べ替えたり、何文字目はどの音など、その法則性に気づく力は読み書きの発達を支える大切な能力であるとされています。

 

紹介するのは、『音韻意識』を養う3つのことば遊びです。

1.単語カードのマッチング遊び

★対象となるお子さん⇒ひらがなを読み始め、まだ物と単語の関係性が一致していないお子さん。

はじめに子どもに4枚の絵カードを見てもらいます。

つぎに単語カードを読んでもらいます。

その絵カードの下に単語カードを置いてもらいます。

《あそび方の例》

お母さん:(一枚ずつ絵カードを子どもに見せ、机に並べます。)「これはなーんだ?」

子ども:「カエル!」

お母さん:「正解♪」「では、これは?」(4枚の絵カードを全て並べます。)

子ども:「ぞう!」

……絵カードを並べながら4回くり返す。

 

お母さん:(単語カードを1枚ずつ読んでもらいます。)

「では、このカードはなんて書いてる?」

子ども:「カ・エ・ル」

お母さん:「そう!よく読めたね♫」たくさん褒めてあげましょう。

「では、この(単語)カードをカエルの絵の下に置いてみて。」

(“下“がわからないときは、実際にお子さんの手を持ち、一緒に置いてあげましょう)

子ども:(絵カードを置く)「ここ!」

お母さん:「そう!かえるだから、そこだね〜♪」(2~4枚目もくり返す)

 

★色々な遊び方①⇒正確に文字が読めると判断した場合にはダミーの単語カードを提示し,マッチングできる絵カードがあるかどうかを質問しても楽しめます。

《あそび方の例》

たとえば、4枚の絵カードにない「きりん」の単語カードを用意し

お母さん:「これなんて書いてある?」

子ども:「き・り・ん」

お母さん:「そう〜♫きりんだね。よく読めたね。このカードと同じ絵はあるかな~?」

子ども:「きりんの絵はないよ」

お母さん:「この中にきりんの絵はなかったね。よく気づきました!」

 

★色々な遊び方②⇒まだ文字が読めない子には、1つずつカードを提示し、カードを読んでもらいます。

《あそび方の例》

お母さん:(子どもに絵カードを見せ)「これはな〜んだ?」

子ども:「ぱんだ!」

お母さん:「正解!よくできました♪」「では、これは何?」と、カードを見せながらやりとりをくり返します。

 

 

★色々な遊び方③⇒発語数の少ない子には、大人が読んだものをカードから選んでもらうとよいでしょう。

《あそび方の例》

お母さん:(4枚のカードを机に並べます)「ちょうちょはど~れだ?」

子ども:指差しやカードを取って選んでもらいます。

お母さん:子どもと一緒にカードを見ながらことばを掛ける。

「そうだね♪これがちょうちょだね。」「ひらひらひら~」

(もう一度絵カードの名称を言い、対象物の特徴を子どもが言いやすい言葉で伝え、子どものことばの模倣を促せるとさらに素敵ですね。)

 

 

【おうち療育のポイント】

一人ひとりの発達に応じたレベル設定が大切です。

最初は、簡単にできると思えるレベルで行い、できたことをいっぱい褒めてあげましょう。

『できた!!』を一緒に喜ぶことで、この遊びを好きになってもらうことからはじめると良いかと思います。

 

 

【ご自宅での療育】第1回は「ことば編①」としまして、マッチング遊びを紹介しました。

次回は、「ことば編②」文字数カウントゲームという遊びをご紹介したいと思います。

 

ファミリアキッズ大和田 保育士